萬田道場

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2021.5.20 今日の言葉

「意識と無意識」「理性と感情」などのように、対立する要素に分ける考え方をアドラーは明確に否定しました。これらは一つであり、一見矛盾するように見えたとしても、それは同じ目標達成に向けて相互に補い合っているだけである、と言ったのです。

例えば、ダイエットをすると決めていた人が、ついポテトチップスを食べてしまったとします。そして「無意識のうちに食べていた……」「欲望に負けて食べてしまった……」などと言うことがよくあります。しかし、それは言い訳でしかありません。実際のところは、自分の意思で判断し、食べることを「善」(メリットのあること)として選んだのです。

「今回だけ食べても大勢に影響はないだろう。であれば、食べてしまえ」「体重が減ることよりも、今、目の前にあるおいしそうなポテトチップスを食べる方が大切だ」。これらの思考により、トータルで「食べる」という選択肢を選んだだけなのです。

では、なぜ私たちは「意識と無意識」や「理性と感情」をわざわざ引き合いに出すのでしょうか? アドラーは、それこそが自分や他者に対する言い訳である、と言いました。「責任を取りたくない」「敗北を認めたくない」「良心の呵責」を包み隠すために、「自分は悪くない。無意識と欲望が悪いのだ」と言い訳し、自分と他者を欺きたいだけなのです。

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